財務諸表の分析(安全度編)

財務諸表の分析(安全度編)

財務諸表により企業の安全度を分析する方法はいくつかあり、すぐに算出できるものばかりなので、ぜひ覚えておきましょう。

会社の安全度を分析してみる

以下は武田薬品工業 17年3月期の貸借対照表(B/S)を簡単にしたものです。これを使って、それぞれの方法で分析していきます。

貸借対照表
流動資産         1,969,915
固定資産          575,520
流動負債           365,500
固定負債           133,684
純資産             2,001,414
資産の部合計       2,545,435 負債及び純資産合計    2,545,435

自己資本比率で分析する

貸借対照表の右側は負債+資本で構成されている事は前の項で説明したとおりです。

負債の事を他人資本、純資産の事を自己資本と言い、貸借対照表の右側の合計額のうち自己資本の占める割合を自己資本比率と言います。

高ければ高いほど、安全であると判断できます。投資判断として利用する場合は、同業他社の数値と比べて判断しましょう。

・算出式

自己資本の額(資本の部)÷総資本の額(貸借対照表の右側の合計)× 100

2,001,414 ÷ 2,545,435 × 100 = 78.6%

流動比率で分析する

支払手形や短期借入金などの流動負債は1年以内に支払わなければなりません。その支払いに充てられるのが現金や預金、1年以内に換金可能な受取手形、売掛金などです。

これらの流動資産と流動負債を対比して支払能力が十分かを見るのが流動比率です。

高ければ高いほど良好であると判断できます。投資判断として利用する場合は、同業他社の数値と比べて判断しましょう。

・算出式

流動資産 ÷ 流動負債 × 100

1,969,915 ÷ 365,500 × 100 = 538.96%

負債比率で分析する

企業が使用する資本のうち、負債は自己資本のどれくらいの割合であるかを示す比率が、負債比率です。下記の数式の負債が有利子負債に絞って計算したものが有利子負債比率といいます。これが高いほど負債が多いことを意味するので、低ければ低いほど良いです。

・算出式

負債 ÷ 自己資本の額 × 100

499,184 ÷ 2,001,414 × 100 = 24.94%

固定長期適合率で分析する

固定資産の回収というのは、長期にわたりますので、それに投下される資金は返済する必要のない固定負債であることが望ましいと言われています。
そこで、これが望ましいかどうかを見る指標が固定長期適合率です。この指標も低いほど良い状態であると判断できます。

・算出式

固定資産 ÷ (自己資本+固定負債) × 100

575,520 ÷ 2,135,098 × 100 = 26.95%

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