退職給付債務と勤務費用の計算に用いるデータの基準日

退職給付債務の計算に用いるデータの基準日は、原則として貸借対照表日とされ、また退職給付債務の評価基準日も貸借対照表日とされる。

しかし、実務上、貸借対照表日のデータを用いることは、貸借対照表日後決算報告までの期間が短いこと、データの準備や年金数理計算にはある程度時間がかかることから、データの基準日を貸借対照表日前の一定の日とすることも認められる。
ただし、データの基準日を貸借対照表日前の一定の日とする場合、データの基準日から貸借対照表日までの期間(「調整期間」)に係る変化を調整して、退職給付債務および翌期の勤務費用を算出必要がある。その方法として以下の2つがある。

1.データの基準日を評価基準日として退職給付債務等を算定し、調整期間に係る勤務費用等を適切に調整して算定する方法

この場合、まず貸借対照表日ではなく、データの基準日時点の退職給付債務と、そこから1事業年度に係る勤務費用を計算する。そのうえで、退職給付債務と翌期の勤務費用をそれぞれ以下の算式で算定する(「n」は調整期間の月数)。
退職給付債務=調整前の退職給付債務X(1+n/12)
+ 調整前の勤務費用X n/12 X n/{1+割引率X(12-n)/12}
- 調整期間の給付支給額
勤務費用=調整前の勤務費用X(1+割引率X n/12)

2.評価基準日は貸借対照表日として退職給付債務等を算定し、調整期間に係る退職者等の異動データを用いて補正して算定する方法

この場合には、貸借対照表日前の一定の日のデータを用いつつも、貸借対照表日を基準として退職給付債務等を評価し、その上で以下の調整を行う。
退職給付債務=調整前の退職給付債務±異動データに係る退職給付債務
勤務費用=調整前の勤務費用±異動データに係る勤務費用
補正の影響が全体として軽微の場合、調整自体を省略することが認められている。

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