1.貸借対照表と消費収支計算書には、この1年間に学校法人の「正味財産」がどのように変化したかを表示します。
前年度より「資産と負債および正味財産(資産ー負債)」を引継ぎ当年度の「資産と負債の増減および正味財産の増減要因」をとらえて「資産と負債および正味財産」を次年度へ引き継ぎます。
2.学校の経営に必要な資金が枯渇してしまうと教育活動に支障が生じるのとおなじように学校の正味財産が年々減り続けると、経営はついには破綻してしまいます。
ところが、正味財産が増えたか減ったかは資金面だけみても分からないのです。次のことを考えてみてください。
(1)銀行から1億円の借入れをすると資金は増えるが同額だけ負債が増えるので、正味財産には増減はない。
(2)建物など固定資産は年々その価値が目減りするので、これを会計上は減価償却の手続きにより、年々価値の目減り計算を行うが、建物が目減りしても資金が減るわけではない。
(3)現物寄付を受けると正味財産は増えるが資金は増えない。
このように学校の財産管理にとっては、資金の増減とともに正味財産の増減を正しく計算することがどうしても必要になります。