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ローカルベンチマークとは?財務指標となる6種を解説

ローカルベンチマークとは?財務指標となる6種を解説

ローカルベンチマークとは

ローカルベンチマークとは、経済産業省が取り組んでいる施策で、地域企業の経営支援等の参考となる評価指標及び評価手法のことです。

目的としては、このローカルベンチマークを入口として、銀行などの金融機関や商工会、地方公共団体などの他、企業経営の支援を行っている団体などに使われることを目指しているようです。

このローカルベンチマークには、財務指標の他、経営者や事業内容などの財務内容以外の評価の2つがあります。
ですが、誰が見てもわかる、誰が評価しても結論が変わらない、財務指標の方が注目されるのではないかと思います。

まだ、あまり普及しているとは言えませんが、一部ではこのローカルベンチマークを意識しだしているようです。クラウド会計ソフトの「MFクラウド会計」では、このローカルベンチマークの財務指標が自動で計算されて確認できるようになっています。

銀行などが参考にするとなると、融資の条件等にも影響するようになるのかもしれません。
もしそうであれば、ローカルベンチマークで取り上げられている財務指標は良い数字になるようにしておく方がいいと思われます。ちなみに、点数評価の比較対象は、業種平均となっているので、業界内で少しでも抜きに出る必要がありそうです。

ローカルベンチマークの財務指標

①売上高増加率

(売上高/前年度売上高)-1

前年度の売上高からどのくらい増加しているかを示す指標。

②営業利益率

(営業利益/売上高)

益性分析の基本的な指標。売上高のうちどのぐらいの割合が営業利益として残せているのかを示す指標。

営業利益とは、言い換えると本業の利益となります。
売上から材料や仕入れなどの原価の他、人件費や事務所の維持費など事業や会社を維持するために係る経費を引いた利益。

③労働生産性

(営業利益/従業員数)

成長力、競争力等を評価する指標。

従業員1人当たりどのくらいの営業利益を稼ぎ出しているのかを示している。
労働生産性が高いほど、雇用や給与の増加や、事業拡大が見込めるともいえます。

④EBITDA有利子負債倍率

(借入金-現預金)/(営業利益+減価償却費)

有利子負債がキャッシュフローの何倍かを示す指標。

この指標は、有利子負債の返済能力を図る指標で、(借入金-現預金)は今すぐには返済できない有利子負債のことで、(営業利益+減価償却費)はキャッシュフローのことであり、事業で稼ぎ出した現預金を指しています。つまり、今すぐ返せない借入金を何年で返済できる力があるかを見ているといえます。

⑤営業運転資本回転期間

(売上債権+棚卸資産-買入債務)/月商

必要運転資金の増減を把握するための指標。

(売上債権+棚卸資産-買入債務)とは、運転資金と言われています。

売上債権は商品は納品しているがまだお金を回収できていない、現預金にとってマイナスの状態です。
棚卸は仕入れてまだ売れていないため、現預金とってマイナス。買入債務は、仕入れたけれどまだお金を支払っていないため現預金にとってはプラスの状態。

計算してでてきた数字は、仕入れてから売上代金を回収するまでの間、社外に出てしまっている現預金となり、手元にいつでも残しておかないと資金不足になってしまうため、常に維持しないといけない現預金残高と考えられます。この金額を月商(月の売上)で割ることで、買掛金の支払条件(支払いサイトなど)や売掛金の回収条件(回収サイトなど)が変化している可能性などを探ることができます。

⑥自己資本比率

(純資産/総資産)

安全性分析の最も基本的な指標の一つ。

総資産のうち、返済義務のない自己資本が占める比率を示す指標。
返済義務のない自己資本の割合が大きければ、倒産などの危険性が低いといえます。 

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この記事を書いた人
assetsbuilders
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会計事務所に勤務ののち、2016年12月法人を設立。税理士と提携しクラウド会計ソフトの導入と経理支援を行う。またAFP資格を有し、生命保険や株式投資、資産運用などファイナンス分野でのアドバイスも行う。
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