利益は世論、キャッシュは事実
利益は世論であり、キャッシュは事実であるといわれます。
利益は会計基準と自分の会社が採用する基準に従えばこうなりますよという意見を述べているだけにすぎませんし、手で触ってみることもできません。
一方キャッシュフローは、現金の流れを意味しますから実際に触ってみることが出来ますので、嘘のつきようがありません。
設備投資の例
利益が世論だといわれる所以は様々なところにありますが、例えば、巨額な設備投資をしたとします。
会計基準ではその年の費用とはせずに減価償却によって長い時間をかけて費用としていきます。耐用年数が30年だと見込まれれば30年かけて費用化していくわけです。当然キャッシュで流出するコストではありません。
このような費用をノンキャッシュ費用と呼びますが、キャッシュフローでは設備投資額をその年のキャッシュアウトとしてとらえるのに比べて、事実をとらえていませんね。
減価償却方法も企業によって差がありますので同じ経済行為を行っていても、その違いによっては利益が違ってきます。ここが一番の問題となります。
日本企業はいまだに決算書上の利益を追い求める傾向が強くあります。