企業分析というのは、比較対象を何に求めるのかにもよります。
ここでは時系列分析とクロスセッション分析について解説していきます。
時系列分析
分析対象企業の当期の数値を過去の数値と比較することを時系列分析といいます。
こういった期間比較を行う場合は、過去と比べた当期の業績の変化が、その企業特有の要因によるものなのか、景気変動や産業構造の変化によるものなのかなどの一般経済情勢の変化を受けたものなのかを加味していかなくてはいけません。
貸借対照表や損益計算書には当期の数値と前期の数値が記載されていますよね。これは時系列分析を行うために記載されているものです。
クロスセッション分析
クロスセッション分析とは言い換えれば、企業間比較分析で同一時点で、数値を他企業と比較するものです。
時系列分析は、経済情勢の変化などの外部要因を受けますが、クロスセッション分析では外部要因による数値の変化も他企業と同じなので比較結果を楽に検証できます。
一般的には、業種ごとに特徴があるので有意義な検証を行うならば、同業種の他の企業と比較することが望ましいとされています。
例えば、トヨタ自動車の売上伸び率を検証したい場合は、ホンダや日産自動車の数値と比較してどちらの企業の売上が伸びているのかなどを比較することです。
当社の当期の売上高は前期と比較してどれだけ増減しているのか、同業種他社と比べてはどうかなど、数値を比較することでようやく企業の分析ができます。