決算書とは?

決算書とは?

決算書とは会社の取引をまとめたもの

会社というのは、普段さまざまな取引を行っていますよね。
取引とは、「現金で材料を購入した」「社員に給料を払った」「Y社に商品を売り上げた」など会社が行う全ての行為です。会社はこういった全ての取引について、記録しているのです。

そしてその1つ1つの取引の記録をまとめたものが決算書です。

決算書と財務諸表の違い

決算書と財務諸表の違いですが、同じものと考えてもいいでしょう。

単に呼び方の違いで、税法では決算書、 証券取引法では財務諸表、 商法では計算書等と呼びます。
(それぞれ多少内容は違ってきますが、実務に携わる方以外は重要ではないので、ここでは触れないでおきます。)

商法では、株式会社は決算書類を広告しなければならないと定めています。
これは決算内容を広く社会に知らせて利害関係者に正しい情報をを提供することを目的にしています。
利害関係者とは、例えば株主、その会社に商品を納めている会社、その会社にお金を貸している金融機関などのことですね。

決算書の良い点と言えば、膨大な取引の要約を客観的に一目で見れることにつきます。
例えば、「この会社はどれくらい儲けているのか?」「資本は充実しているか?」「借金などの負債は許容範囲なのか?」などです。

決算書の利用用途

帳簿で表すと何千ページ、何万ページにまでも及ぶ取引をほんの数ページで理解できるわけですから、経営者や株主、投資家などにとってはとても有難いですよね。
会社の資産状況や営業活動などが、まとまった数値で表されるので他の会社の決算書と比較・計算にも利用できます。

例えば株式投資をしている方などは、決算書を理解せずに行うということはとても無謀な事と言っても過言ではありません。
株価というのは、長期的には企業業績に収束する可能性が高いといわれています。

決算書の種類

先に述べたように、決算書の種類には、商法証券取引法によって多少の違いがあります。

何故、異なった形式で決算書を作成しなければならないのかという事ですが、おおまかには以下の点が挙げられます。

・商法の決算書 = 株主・債権者保護を理念としている
・証券取引法の決算書 = 投資家保護を理念としている

難しく言うならば、商法の開示制度は、会社経営者の受託責任の遂行状況や会社の債務弁済力ないし配当支払能力を把握するのに役立つとおもわれる情報を開示 しているのに対し、証券取引法の開示制度は、会社の収益性や成長性、企業集団の業績などを把握するのに必要な情報を開示しているということです。

次は決算書の内容についてです。

商法 証取法
決算書の呼び名 計算書類 財務諸表
内容 ①貸借対照表
②損益計算書
③株主資本等変動計算書
④個別注記表
⑤事業報告とこれらの付属明細書
①貸借対照表
②損益計算書
③株主資本等変動計算書
④キャッシュフロー計算書
⑤附属明細表

決算書の内容も様々あることがお解かり頂けたかと思いますが、以下の書類は特に重要視されています。

・貸借対照表
・損益計算書
・キャッシュフロー計算書

この3つの決算書類を読みこなすことで、より正確に会社が利益をあげているのか、成長しているのかなどが把握出来るようになりますので、ポイントだけでもぜひ覚えていきましょう。

決算書はなぜ必要なのか?

それでは、決算書はなぜ必要なのでしょうか?
おおまかには3つの用途に使われます。

税金の申告

まずは、税金の申告です。

会社はもちろん、小さなお店の個人事業者であっても青色申告をする際は、申告書に決算書を添付しなければなりません。
税金は決算書に記載された利益をもとに計算されるため申告手続きのスタートとなるわけです。

銀行等からの資金調達

2つ目は、銀行等のお金を借り入れる際に決算書は必要になってきます。

銀行等で借り入れをする場合には、必ず決算書の提出を要求されます。
銀行側は、決算書によって貸付をする会社の、企業の財産の状態はどうか、損益の状況、将来利益をあげて貸し付けたお金を返してくれるか、十分な担保はあるか、などを判断します。

株主や債権者へ財務状態を知らせる

3つ目は、株主や債権者、一般の人々のためです。

例えば、電力会社が電気代を値上げすることがありますが、この値上げは妥当かどうかというのは、この決算書を元に議論されます。

また、その会社にお金を貸し付けている会社や個人は、倒産してお金を返してもらえないのではという不安があります。
こういった債権者に対しても決算書を公開することによって財務状態をお知らせすることが出来ます。

会社は決算期ごとに株主に対して配当を支払いますが、その場合どのくらいの配当を支払うか決めるのも決算書に計上されている利益によるのです。

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