黒字倒産とは、財務諸表上、利益が出ているにもかかわらず倒産に陥ってしまうことです。
例えば、売上やコストが毎年変わらずに推移しても、世の中の不況で売掛金の回収スピードが遅くなったり、銀行から借入金ができなくなったり、貸付金の返却を迫られたりすることで、黒字でも企業は倒産してしまいます。
利益がプラスでも企業は決して安心とはいえません。
結局は現金が重要。だからキャッシュフロー計算書というものがあります。
損益計算書上の利益は一定でも売上債権の増加や仕入債務の減少によって運転資本が増加すれば、キャッシュフローは減ることになります。
この運転資本と設備などの維持費や新規投資額の合計が、税引き後利益にノンキャッシュ費用(減価償却費などの資金の流出が無い費用)を加算したものより大きければ、銀行からの借り入れや株式発行をするしか道が無くなります。
もし、そのどちらも出来なくなってしまうと倒産ということになります。もし借り入れが出来たとしてもそれは慢性的に続いていくことから、利息の支払いに耐えられなくなることになります。
いくら売上が増加しても、売上代金を現金で回収して初めて儲かったといえるのです。