理論株価を導き出す方法として配当割引モデルによって理論株価を算出する方法があります。
これは将来得られる配当額を現在価値に割り引いた合計額です。
現在価値に割り引くとは、今現在5%の預金に1,000円持っていたとすると1年後は1,050円になってますよね(税金考慮せず)。
その逆の考え方で、今年度末に1,050円もらえるなら今の価値に直すと1,000円です。
そういったことが現在価値に割り引くという意味です。
あなたが投資している会社の1年目の配当金が1,000円、2年目の配当金が2,000円、3年目の配当金が3,000円、4年目の配当金が4,000 円、・・・N年目の配当金がM円だとします。
割引率を5%と仮定すると、1年後にもらえる配当金が1,000ならば、現在価値に割り引くと、1,000÷1.05=952円、同様の計算で2年後にもらえる配当金が2,000円だと予想するなら、現在価値に割り引くと、2,000÷1.05÷1.05=1814円というように、この計算を半永久的に繰り返して、この現在価値に割り引いた値を足したものが、配当割引モデルによって算出された理論株価です。
もちろんこの5%というのは仮に設定したもので、この割引率を3%や10%とした場合には割り引いた額はまったく違ってきます。
1年後の1,000円を3%で割り引くと、1,000÷1.03=970円
1年後の1,000円を10%で割り引くと、1,000÷1.10=909円
このように割引率が高ければ高いほど、理論株価は低い数値になります。
割引率は、リスクを反映したものでなければなりません。国債などの債権は低い割引率でよく、株式などのリスクの高いものは当然割引率を高く設定しなければならないでしょう。株式のなかでも、証券株やハイテク株よりも薬品株や電力株の方が割引率は低くなります。
配当割引モデルの算出で困難なのが来期以降の配当金の予想です。これを「配当は毎期一定の率で成長する」と仮定した配当割引モデルが、定率成長配当割引モデルです。
定率成長配当割引モデルについてはこちらのページで紹介していきます。