ここでは、最近よくニュースで耳にする「循環取引」とはどういうものなのか?について見ていきたいと思います。
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過去のニュースから一例
まずは、最近実際に行われていた循環取引に関する記事です。
調査委は「不適切な取引」と指摘した調査結果をまとめ、同社に提出した。売上高 が水増しされた粉飾決算の疑いもあり、同社は今週中にも、東京証券取引所に報告し、調査結果を公表する。
循環取引とは?
循環取引とは、架空の商品を複数の業者間で転売し、売り上げを水増しする不正取引に該当します。
商品は業者間を転々とした後、最初の企業に戻ってくる形になり、この企業からまた転売が繰り返され、各業者の帳簿上で売上金と注文だけが循環し、収益の水増し操作が続きます。
循環取引の例
循環取引の簡単な例
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B社は利益を出すために、101万円で仕入れた商品をC社に102万円で売り上げる。
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C社は102万円で仕入れた商品を103万円で元のA社に売り上げる。
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そしてA社は原価103万円の商品をまた、B社に売り上げるといった具合です。
結果、売上の額がどんどんふくらみ、会社規模を実態以上に大きく見せることが出来るというわけです。
この一連の取引を伝票や書類上だけで行うのが架空循環取引です。
ただし、上記のように、それぞれが利益を上乗せして売買を繰り返すので結果的に行き詰る結果となります。
過去の事例を見てみる
伊藤忠、子会社が不適切取引 在庫の循環取引など
2015/4/17
伊藤忠によると、昨年12月のIHFの月次決算で問題の取引が発覚したという。IHFの営業担当社員が自身の取引で発生した損失を隠すために、10年ごろから取引先とともに架空在庫を計上。実在する在庫とともに転売を繰り返して最終的にIHFが買い戻す取引を行っていたとしている。
粉飾容疑のインデックス、循環取引が明るみに
2014/6/3
東京地検特捜部が5月28日、ゲーム・コンテンツ制作会社インデックス会長、社長の両容疑者を逮捕した。
粉飾決算の手口は次のようなものだ。インデックスが実態のない会社から架空の仕入れを繰り返し、代金からキックバックを受けていたことを関係者が証言している。特捜部は、キックバックで得た金が循環取引に協力する会社への謝礼に充てられたとみている。
インデックスはコンテンツ開発などの名目で、知人が運営する会社からソフトウェアなどを購入し、代金の大部分がインデックス側に還流されていたという。インデックスは数十社とこうした取引を繰り返し、裏金を捻出していたとみられている。売り上げ、利益を水増すための循環取引には関連80社が使われており、協力した会社には裏金から顧問料などの名目で手数料が支払われていたという。