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予算作成のための売上目標とデータ収集

予算作成のための売上目標とデータ収集

予算の作成に最も重要な売上目標

多くの会社では、売上目標を掲げています。それによって、賞与が決まったり、昇進・昇格を検討したり、予実差異が大きいと、会社の方向性も変えてしまい、これはとても重要な数字です。

基本的に売上目標は、前年実績や前年との増加率、受注が決まっている案件などを含めて、目標数値を出します。
売上目標は、経営者はもちろん、営業部門にとって最も気になる数字で、営業部門の責任者からは売上目標に設定した数字の根拠を何度も確認されたりします。

また、上場企業の場合は、特に慎重に設定する必要があります。
なぜなら、経営者や役員、営業部門などの社内的な影響だけではなく、株主や金融機関などの外部の利害関係者にも公表されるため、もし売上目標を大きく下回るような実績になってしまった場合、株価にも影響し、会社に対する信用がなくなったり、資金繰りが厳しくなったり、最悪の事態になる可能性もあるからです。

予算作成のためのヒアリング

予算作成の業務を行う部署は、会社によって違いがあり、経営企画部や財務部が担当することがあります。経理部が担当している会社も少なくありません。
担当する業務が他部署でも、必ず予算作成時には、経理部門へのヒアリングが実施されます。なぜなら、過去の実績を一番把握しているのは、経理部門だからです。

予算を作成するには、すべての部門へヒアリングを重ね、今期と前期の実績を比較し、来期の目標も考慮したうえで、互いの事業部で決めた数字に対して合意を得ていきます。
そのため、ヒアリング中に、担当者と予算作成者側で口論になったり、予算会議では、経営者と役員に対し、納得がいかない予算案を報告してしまうと、激怒される場合もあります。

予算作成は重要な業務であり、絶対にミスは許されません。
実現が難しい売上目標を立ててしまうと、営業部門の社員の賞与や役職に影響する可能性があります。

高額支払いが予定されていたにもかかわらず、それを失念したまま予算を作成してしまうと、資金繰りに大打撃を与えかねません。このミスに関しては、会社にとって、かなりのリスクが生じます。
作成した予算案は、集計に絶対にミスがないよう、十分に他部署へヒアリングし、確認をする必要があるのです。

そして、最後には予算会議で経営者や役員へ報告し、来年度の予算案を決定させるのです。
細かい予算数値に対して説明を求められたりするので、質問されそうな箇所は事前に調査し、作成した予算案は隅々まで精査し、内容を覚えておく必要があります。

数字に関するデータを収集する

予算作成のスムーズの進めるには、情報をどうやって集めるかが重要になってきます。
数字を集めるだけであれば、営業部門が管理しているデータベースからテーブルごとエクスポートしてしまえば、営業部門が入力してきた情報がすべて手に入ります。
来期以降の受注予定案件でも、既にデータベースに入力さえしてあれば、予算として計上できます。

難しいのは、それ以外の数字の根拠をどうするかが問題になってきます。
過去の実績すべてに、数%の目標値をかけて売上目標を設定するだけなら、とても簡単です。
しかし、会社や業界によっては、3年後5年後の売上計上を見越して、現在営業部門が動いているプロジェクトが存在したりします。

例えば、建設業やマンション管理業などの業種の会社であれば、大規模な改修・修繕工事が挙げられます。
ソフトウェア会社であれば、クライアント企業の大規模なシステム構築でしょうか。
これらも予算作成時に考慮する必要があります。
誤って、営業部門では2年後を目標にしている大規模受注案件を、来期の予算案に入れ込んでしまうケースもありますので、このような高額な受注案件に関しては、十分に注意する必要があります。

最後に

今回、予算作成の注意点ばかりを紹介しましたが、それだけ予算作成という業務は、とても重要でミスが許されない業務です。

もし現在働いている会社で、予算作成を担当している部署が経理部門ではなくても、経理担当者ならば、常に気にかけておいた方が良いでしょう。

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編集部
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