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クラウド会計ソフトを使えば、会計事務所との契約はいらない?

クラウド会計ソフトを使えば、会計事務所との契約はいらない?

クラウド会計ソフトとは

クラウド会計ソフトとして有名なところでは、「MFクラウド会計」と「freee」があります。
この他にも、まだ対応している金融機関は少ないのですが、会計ソフトの弥生会計で有名な弥生㈱がはじめた「弥生会計オンライン」というものもあります。

クラウド会計とは、会計ソフトが、パソコンにインストールすることなく、インターネットを見るブラウザ上で動き、入力された仕訳データがパソコンではなく、クラウドサーバーに保存されるようになっています。

銀行やクレジットカード、電子マネーなどインターネットで収集できる取引情報を、金融機関から直接クラウド会計に取り込むことで、会計ソフトに手入力するのに比べ、圧倒的に早く楽に会計処理ができるようになります。

そのほかにも、クラウド会計ソフトには、仕訳データがクラウド上に保存されているため、インターネットにつながる環境とID、パスワードがあればどこでも売上レポートや利益などを確認することができます。

またデータがクラウド上に保存されていることにより、会計ソフトの入ったパソコンが壊れてデータが消えてしまったということも起こりません。

日本の法人でのクラウド会計の使用率はまだ4%程度のようですが、アメリカでは既に45%ほどの法人がクラウド会計を使用しているそうです。
このクラウド会計により、近い将来、日本での会計事務所のあり方が大きく変わるであろうことは容易に想像できます。

クラウド会計のメリットと実際に使ってみて思うこと

クラウド会計を使うメリットは、仕訳作業が楽という点が一番大きいと思います。

銀行などのデータが自動で取り込まれるため、入力するときに金額を間違えるということもほとんどありません。
また、データの保存に気を使わなくていいため、パソコンが壊れることや、古くなった時の買い替えなどがあっても、会計データに関してはまったく気にする必要がありません。

さらに、領収書などの画像データも取り込めるため、電子帳簿保存法への対応も可能になり、要件を満たせば領収書原本を破棄することもできます。
その他にも、クラウドで使える請求書ソフトや給与計算ソフトなどと連携することもできたり。

その請求書ソフトから請求書を印刷することなく、取引先に直接、請求書の郵送やメール送信ができる他、クレジットカード払いを使うこともできるなど(「MFクラウド請求書」)、今までの会計ソフトにはない新しい機能がたくさんあります。

うまく使いこなせば、経理業務で楽になる部分は多いと思います。

中には、「クラウド会計ソフトの登場は、手書き伝票からパソコン入力に変わっときのような変化だ」という人もいます。

問題点も多々

ただ、いくらクラウド会計が高機能だとしても、やはり会計や税務に関しては専門家の力が必要だという点は、少なくとも今の時点は、変わっていないという印象です。

金融機関からの自動取り込みなどで、自分ですべて記帳できてしまうイメージが強いように感じますが、やはり簿記や会計に関して、ある程度知識や経験がないと、きちんとしたものはできてきません。

特に、仕訳に関しては最初の自動仕分けの設定等がおかしいと、すべての仕訳がおかしくなってしまいますし、交際費や福利厚生費の税法上の取扱の違いなども分かっていないと、選ぶべき勘定科目も違ってきます。

他にも売上や経費の計上時期の判断や、特殊な取引が出てきたときの処理の仕方など、沢山の問題点がでてきます。

クラウド会計を使うことで会計事務所に領収書等の入力処理をお願いすることはなくなるかもしれませんが、専門的な部分では、やはりまだ会計事務所の力が必要なようです。

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この記事を書いた人
assetsbuilders
assetsbuilders
会計事務所に勤務ののち、2016年12月法人を設立。税理士と提携しクラウド会計ソフトの導入と経理支援を行う。またAFP資格を有し、生命保険や株式投資、資産運用などファイナンス分野でのアドバイスも行う。
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