日本商工会議所が行う簿記検定は、事務職の方が受験するものでしょうか?
そんなことはないのです。
日商簿記検定は、ビジネスに関わる人の全てが持っておいた方が良い知識なのです。
いまは経理も自分で行う会社の経営者の私ですが、簿記検定を受験した時に勤務していたIT企業で従事していた業務は、ソフトウェア開発でした。
簿記の知識自体は、業務で必要とされることはありませんでした。
しかし、あるビジネス雑誌に載っていたIT技術者の記事に触発されて、簿記検定を取得するつもりになりました。
そのIT技術者曰く「技術者でも、マネジメントを行う上では、最低限日商簿記検定2級の知識は必要である」というものでした。
ビジネスマネジメントに特化して言えば、ビジネススクール、別名経営学大学院で取得するMBA(Master of Business Administration)においても、簿記の知識は求められます。
一例として、立命館大学のビジネススクールでは、卒業時に日商簿記検定の3級を取得することが必要条件となっていました(今も同じかはわかりませんが、少なくとも10数年前の時点ではそのように規定されていました)。
ソフトウェア開発を含むIT技術者全般においても、開発プロセスにおけるマネジメントにおいて、コスト、プロフィットの理解は必須の知識と言えます。
日商簿記検定の2級と3級のどちらまでがビジネスパーソンとして必要なのかは、従事する業務に依存すると考えますが、私は、2級を取得しておくべきだと考えます。
2級と3級の大きな違いは、3級は商業簿記のみ、2級は商業簿記と工業簿記であることです。
単純には、商業簿記の帳簿が対象とするのは、製品を仕入れて利益を上乗せして売ることです。
工業簿記は、原料を仕入れ、多くの場合、人の作業により加工を行い、利益を上乗せし売ることです。
ソフトウェア開発業のマネジメントの場合は、単純には「製造」工程があるため、工業簿記の知識が必要です。
日商簿記検定の必須アイテム
日商簿記検定の受験の必須アイテムは、「簿記検定対応電卓」です。
電卓の条件は、以下です。
- アンサーチェック及び訂正機能がある
- 自分の手・指の大きさに合っている
私の場合、大手家電量販店でシャープとカシオの二つを購入して試して、大き目のカシオを使用しました。
この電卓のアンサーチェックに感謝することになるのが、2級、3級でも第3問と第5問です。
精算表、試算表、貸借対照表、損益計算書などの作成です。いずれの問題も、最終的に借方、貸方の合計値が同じにならなければなりません。
複式簿記なので当然ですが。この二つの合計値が一致しないと最初はパニックになります。
私は、最初に受験した日商簿記検定3級を、いつも使っている普通の電卓で臨んだので、第3問、第5問とも借方、貸方合計が合わず崩壊してしまいました。
日商簿記検定は、2級も3級も全5問ですが、第3問、第5問を間違えるとほぼ不合格です。
簿記用のカシオの電卓で臨んだ二度目の試験でも、案の定、第3問か第5問かどちらかが借方、貸方不一致になったと記憶していますが(10年以上前なもので記憶が定かでなくすみません)、アンサーチェックでそれまでに入力した値をチェックすると、やはり入力ミスをしていました。
数字を入力するときは、キーを見ないで打つので、桁間違い、数字間違いなどです。
それらを訂正して、再度合計を出し、借方、貸方が一致した時の嬉しいこと。